心理学部の学生がQuizKnockの授業に感銘を受けた話

 

先日、

「QuizKnockがあなたの町に行きます!」という企画で、

小学校でQuizKnockさんの授業を見る機会がありました。

 

「クイズを通して楽しく学ぼう」をテーマに

クイズ大会と講演会を行いました。

 

心理学部で子どもへの話し方や気持ちの受け入れ方をたくさん学んできたつもりでしたが、

QuizKnockさんの授業では、

・子どもの心をつかむ話し方

・考えることの楽しさ

・相手の意図を考えるということ

についてとても考えさせられました。 

 

なによりQuizKnockさんの授業は子どもたちを心から楽しませており、

「楽しく学ぶ」ことの真髄を見た気がしました。

 

内容を具体的にお話することはできませんが、

教育現場で働きたいと思っている私は、

QuizKnockさんの話し方や構成について、

参考になることが数多くあり、

心に留めておくだけでなく、文章にして書き起こして忘れないようにしたい

と思ったので、

この度ブログを書くことにしました。

 

拙い文章だとは思いますが、お付き合いよろしくお願い致します。

 

ちなみに、今回授業をしてくださったのは伊沢拓司さんと渡辺航平(こうちゃん)さんです。主に伊沢さんが会話をリードしていました。

 

 

①子どもたちの心を掴む話し方

 

まず初めに伊沢さんの、子どもたちの心を鷲掴みにする会話力に脱帽しました。

 

本学校は小学校だったので、正直初めは一抹の不安がありました。

なぜなら、小学生はどうしても途中で飽きてしまったり、話を理解ができなかったりする子がいるからです。

 

「伊沢さんやこうちゃんさんはきっとお出来になる子どもだっただろうから、

そのような子の目線に合わせてくれるのだろうか…。」という不安がありました。

 

しかし、始まってみると…

そんな不安をもっていた自分が非常に恥ずかしくなりました。

 

伊沢さんは一方通行のお話ではなく、

「○○な人って周りにいる?」

「これってやばくない?」

と、序盤から子どもたちに何度も質問を投げかけました。

 

伊沢さんは子どもたちに問いかける問いかける…。

子どもたちは質問について考える考える…。答える答える…。

開始5分でそのやりとりが繰り広げられていました。

 

これだったら聞くのが難しい子でも、楽しんで頭を働かせながら、飽きることなく話を聞けるなぁと参考になりました。

 

教師でない伊沢さんがこのようなテクニックを駆使していることに感銘を受けました。

 

また、

授業は

「こんにちはー!!!いぇーーーい!」

から始まり、

「やばくね?」

「すごくね?」

など、小学生にとって身近な言葉を効果的に使う姿も勉強になりました。

しかも!その時に、

「~な人って周りにおる?」

と、私の地方の方言を入れ込んで話していたことも印象的でした。

この話し方で子どもたちは伊沢さんたちを身近に感じ、この人の話を聞きたい!楽しい!と強く思ったのではないかと思います。

また、事前に我々の地域の特徴を幅広く勉強してくださって来てくれたのかなとも思うと、嬉しく思いました。

 

 

この導入があったから、もう会場は

伊沢ワールド✨

です(笑)。

子どもたちだけでなく、先生方も伊沢さんにぐっと心をつかまれてしまいました。

 

「ただ一方的に話す」のではなく、

「自分だったら?」「身の回りでは?」

という自分に身近な問題として投げかけることで、

子どもたちが常に考える姿勢を維持させていけるのだと学びました。

また子どもの目線に合った言葉を使うことで親近感を持たせることの重要さも学びました。

 

 

②考えることの楽しさを実感させる

 

伊沢さんの発言の中で最も印象的だったのは

「クイズは解けることだけが大事なのではなくて、考える時間が大事。」

という言葉です。

子どもたちの中でも、この言葉が心に残った子が多くいました。

 

普段、問題を提示する時、

「解けない=✕」で、

「解ける=○」だと

捉えてしまいがちだなぁと反省しました…。

子どもたちの中で、

解けないと意味がない

と思い込んでいる子も多いのかなぁと思います。

だからこそ、

解けるのが全てではなく、

考える時間が大事だと明言することは

子どもたちに教えるべきことだと気づかされました。

 

そして、この言葉が、

「考えることが楽しい!」

に繋がるのだと思います。

 

実際に、授業では子どもたちがクイズに答える場面が多くありましたが、

勉強が出来る子も出来ない子も関係なく、

みんなが前のめりになってクイズに一生懸命答えようとしていました。

 

これは、クイズが解けるから楽しいのではなく、

クイズそのものを楽しんでいる姿だなぁと思いました。

 

正直、年齢を重ねるほど結果が全てだと痛感する場面はとても多くあると思います。

でも、発達途中の子どもたちにとっては結果だけではなく、その過程、自分がそれまでに頑張ったという事実が重要だということを教えるべきだと思いました。なぜなら、将来、失敗することがあったとしても、次を頑張れる動機づけになるからです。

もし結果が不甲斐なくても、全てに落ち込むことなく、その過程を経たという自信が残る子になれば、正解ばかりが次への原動力になるのではなく、失敗こそが明日への活力にできる人へと成長できるのではないでしょうか。そのためにはやはり「考えることが大事。その過程も大事だよ」と伝えていきたいと思いました。

 

③時には厳しく、常に誠実に。

 

途中でルールを破ろうとしてした子どもに対して、

伊沢さんは

「前出るな。」

ビシッと注意をしたシーンもありました。

その時は空気がピリッとしました。

 

キツイかな?と思ったのですが、

これは必要な言い方だったのだと思います。

 

ルールを守らない子に対してちゃんと注意をすることで、

「ルールを守ることで楽しい」

ということを教えられるのだと思いました。

 

厳しく言うと嫌われるのではという不安が私にはよくあるのですが(苦笑)、

ダメなことはダメだと伝えることも

厳しさの中にある優しさであり、

そう言える自信も身につけること

が大事だなと感じました。

 

伊沢さんが言ったあとは誰もルールを破ることなく、最後までスムーズに行えたので、すごいなぁ(語彙力)と思いました。

 

子どもたちは普通やんちゃなもので、ルールを守らせることはすごく難しいことだと思います。それをやってのけた伊沢さんが本当にすごい…。子どもたちがルールを守れるかと不安でしたが、素直に伊沢さんたちの言うことを聞いているではありませんか。子どもたちがルールを守る守れないは、全て子どもたちのせいにするのではなく指導者にも責任があるのだと感じました。

 

楽しむ時間と規則を守る時間のメリハリ、声のトーン絶妙な間、それらを駆使した華麗な授業を目の当たりにしました。

 

④子どもの意見には反対しない

 

伊沢さんはどの子に対しても平等で、

どの意見にも否定することがありませんでした。

 

簡単そうな気がしますが、

これはとても難しい事だと思います。

 

例えば、

「お父さんお母さんの職業に王ってつく人いる?」

という質問を伊沢さんは投げかけました。

その時、

「俺の名前につくよ!」

と言った子がいました。

 

もし私だったら

「名前じゃなくて職業だよ!」

と言ってしまいそうだなぁと思います…💧

 

しかし伊沢さんは

「あー!名前に入ってるのね!たしかに!」

と言ったのです。

おそらくその子はすごく嬉しかったんじゃないかなぁと思います。

 

自分が言ったことが間違っていたとしても、

一旦はその言葉を受け入れるという技術、しかも咄嗟にそれが出来ていたので、真似したいなと思いました。

 

また、子どもたちがクイズを答える場面では、必ずわかった人全員に一人一人答えを聞いていました。

その後、解けた子に対しては

「おめでとう!」

と言う一方で、

解けなかった子に対しても

「考えることを頑張った!」

と両者を肯定する言葉がけをしていました。

 

子どもの言葉を受容し、認めてあげる姿勢はとても大切なことだと思います。


そして、伊沢さんは物事を色々な角度から捉えられる人なんだろうなと思います。

私も、ネガティブな面をポジティブな面へと捉え直す力を培いたいと思いました。

 

⑤失敗するお手本

 

これは意図的だったかは分かりませんが、

伊沢さんとこうちゃんさんがクイズに正解できないというシーンがありました。

 

クイズ王という肩書きをもった彼らでさえ、

解けないクイズがあるんだと子どもたちが感じたことは、

(本人たちは悔しかったかもしれませんが笑)

結果的にとても良かったなと思います。

 

1つめの理由は、伊沢さんたちをさらに身近に感じることになったからです。

 

そしてもう1つは、

大人でも、クイズ王でもミスすることがある

という姿を見せることで、

子どもたちが失敗への恐れを払拭できることに繋がるのではないかと思ったからです。

 

できないことを体験することは、子どもたちにっては初めはとても怖いことだと思うし、

失敗が良くないことだと思いがちなのではないかなと思います。

だからこそ、目の前で大人が失敗する姿を見せることで、

間違えても大丈夫なんだ。

間違えたとしても次頑張ればいいんだ。

と考えるようになるのではないかと思いました。

子どもたちの前で、完璧な姿を見せるより、自分の失敗を見せられるように、自分の自信もつけていかなければならないなと思いました。

 

多分伊沢さんたちは、なぞなぞめちゃくちゃ復習してるんじゃないかな…(笑)

 

 

⑥こうちゃんさんの相づち

 

そして、なによりこれに感心してしまいました。

 

それはこうちゃんさんの相づちです。

 

こうちゃんさんは基本的にずっと相づちを打つ役割をしていました。

「あ〜」

「うんうん」

「おぉ〜!」

「そうなんだ〜」

「え?どういうこと?」

などです。

しかし、それらはほとんど子どもたちの感じたことに合わせた言葉ばかりで、

子どもたちの反応に合わせて相づちを打っていました。

 

2人体制で子どもたちを見るとき、メインで話す先生に、どう合わせたらよいかわからない時があります。その時は、子どもたちと同じような反応や、子どもたちにして欲しい反応をすることで、

その場全体に一体感を生むことができることを学びました。

先生方の中でも、こうちゃんさんの話し方は真似したいとおっしゃっている方が多くいました。

 

 

 

 

 

以上が伊沢さんとこうちゃんさんの授業を見て感じたことです。

 

文字にするとなんて当たり前のことを言っているんだろうという気もしますが、

これらを100人以上の子どもの前で、しかも初めて会う子どもたちの前で実践しようとすると、

素人じゃ到底無理な気がします。

 

きっと伊沢さんとこうちゃんさんは何冊も本を読んだり、何回も練習を重ねたりして来てくれたんだろうなと思います。本当に尊敬の意しかないです。

 

私は、特に伊沢さんたちの

「相手を意識すること」

がすごく感じられました。

小学生にどう話したら伝わるか、

どうしたら興味を持ってくれるか、

相手が何を言われたら嬉しいか、

など、

相手の目線から考えることが出来る素敵な人たちなんだろうなぁと思いました。

 

子どもたちと接する時も、この子はどういう気持ちでこの発言をしたんだろうか、なぜこの行動をするのかと考えることが頻繁にあります。

授業を通して、相手の目線から考えるという意識の大切さを改めて教わりました。

 

子どもたちの中で、「相手意識」は普段学校でよく言われているけど、今回の授業を通して本当の意味を学んだと言っていた子がいました。先生方も普段何度も言っていることが子どもたちに伝わったのではないかと、とても喜んでいました。

 

 

正直、欲を言えば、教え方や話し方などを勉強する際、どういう教材を使ったのかについてももっと聞きたかったし、教育理念みたいなものもQuizKnockさんに伺いたかったです。

それくらい伊沢さんの教育に対する姿勢に感銘を受けましたし、日本の教育界に光を差し込んでくれる逸材だろうなぁと思いました。

 

 

普段、本や参考書を読んでもなかなか実践は難しいです。学校でも毎日心を折られる日々です。

私は、いい授業やお手本を見ることで、子どもたちへの良い関わり方を1番効率よく学べると思っています。

ですから、今回はこのような素晴らしい授業に立ち会えたことに、心から感謝を述べたいです。

伊沢さん、こうちゃんさん、QuizKnockさん本当にありがとうございました。

 

彼らから学んだことを活かして、子どもたちの心を助けられるような心理士を目指していきたいと思っています。

 

ここまで読んでくださった方もありがとうございました。